「投票率80%超 スウェーデン総選挙体感 市民交流スタディツアー」

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ウプサラ市中心部にある「選挙小屋」

先日、4年に一度のスウェーデンの総選挙が行われた。投票率は80%以上のスウェーデン。

スウェーデンの選挙の仕組みはどうなっているの?なぜ日本と比べてこんなに投票率が高いのか?「民主主義」とは、スウェーデンでどのようなことを意味し、どのようにはたらいているのか?

こんなような疑問を抱いて、「スウェーデンの選挙と民主主義」を探りに、日本からストックホルムとウプサラにスタディツアーに来ている人たちに出逢った。

大学生との交流会を開催するというお手伝いをする代わりに、主催者の方のご好意で、2日間、ツアーにも見学・同行させていただいた。

スウェーデンのことをまたちがう角度から、日本と比べながら見る貴重な機会となった。

 

* * *

 

社会科の教職を取ろうと思い立った大学2年次の夏を思い出す。ふと、自分が高校時代に参加したワークショップに大きな影響を受けたことに思いを馳せていて、そういう学びの場を今度は自分がほかの人に向けて開催してみることを想像して、わくわくした。

社会科教育には、未だにわくわくする。

公民科教育の大きなテーマの一つは、「社会参画」。

自分のことばで説明するなら、自分たちの社会に、自分たちで関わることで、変えていくといったところだろうか。昔つくばで受けた公民の先生の定義の方がよかったな・・・ノートはどこにやっただろうか。

日本の感覚でいうと、「社会」というのはどこか自分の外にあって、他人事のような気がする。日本に限らないけれど、「自分ごと」として捉えるのはすごく難しく感じる。

大学に入ったとき、高校と明らかにちがう何か、壁のようなものに私はぶちあたった。

自主性を重んじる、単位制普通科の神奈川総合高校という学校で私は、文化祭も学校の行事も部活も、「自分たちが動かなければ何も動かない」という感覚があった。

もちろん今振り返れば、先生たちが陰で走り回ってくれたからこそ実現できていたのだろうけれども、自分たちで運営している感覚だけは強くあって、学校というものが変えられないものではなく、「自分たちの学校」として変えられるものという意識があったのは、私だけではないと思う。

大学に入って、大学に対して、あるいは一つの授業に対してでさえ、何かを変えられるという意識はくじかれた。

その感覚が、「社会」に対する感覚にも、同じように感じられるのかもしれない。

自分が何かをしても、しなくても、何も変わらない、という感覚は、多くの人が持っているのではないだろうか?

それが、政治に対する態度にもきっと出ている。投票するか、しないかということにも。

 

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各党が小屋を開いて、ふつうの人は、気軽に話を聞きにいくことができる。

 

私がツアーで参加させていただいたのは、このような見学だった。

・高校における模擬選挙

・自治体の選挙委員会

・ウプサラ新聞

・環境党の選挙キャンペーン

 

色々なところを見て、色々話してみて感じたことは、ツアー参加者の一人のことばにうまくまとまっている。

「日本も一歩一歩、変えていけば、色々変わっていく」

 

教育の役割

学校における模擬選挙は、学校全体で大々的に行われていて、それも生徒会や任意に生徒が入る「選挙委員会」によって運営される。しかも、各政党から実際に政治家が学校に来て、スピーチやディベートが行われる。

選挙の仕方が分かるだけでなく、それぞれの政党についての情報も、学校でゲットできるのはデカい。

それと、民主主義の基本である、異なる意見をもつ人と議論をして、合意に至るということが、日本では教育現場に限らず、社会のいたるところで、軽視されているというか、むしろ嫌がられる傾向がある。

これは、職場にしろ、学校にしろ、変えていかなければいけないだろうね。

 

選挙のしくみと、政治・政治家への信頼

やはり大きいのは、政治への信頼のちがいだと思った。スウェーデンは、情報公開がかなり進んでいるから、透明性も高く、政治家・政治への信頼が日本に比べると格段に高い。

投票については、投票用紙が政党ごとに分かれていて、そのリストにある個人に特に印をつけることはできても、基本は政党に投票。日本でいうと比例区選挙に近いだろうか。

候補者個人への注目は低いことから、日本のような「人気争い」にはなりづらい。

選挙区についても、市や県行政の統計課が、人口統計をもとに、有権者が各選挙区で全く同じ数字になるように、選挙のたびに見直し、その決定に政治家が文句を言うことはない。日本も、「1票の格差」が問題になっているが、こういった選挙区のあり方を参考にしてはどうだろうか。

 

選挙小屋

そして、個人的にとても気に入ったのは、上に写真も載せた、選挙小屋の存在である。

告示から選挙日当日まで、ヨーロッパだとどの街でもある、中心部の広場に設立される。

党に所属するボランティア党員や、実際の候補者も含めて、ここで党の方針や政策について気軽に聞くことができるのだ。

環境党の、選挙小屋担当の党員に会ったときに、彼が言っていたことがとても気に入っている。

大体の人は、小屋を訪れると、「政治のことは私もよくわからないのだけれど、環境党の主な政策を教えてください。」と。

そうすると、こう返すのだそうだ。

「政治のこと、実はよく知っているでしょう?だって、自分の周りのことに意見を持っているでしょう。例えば学校や教育はどういう風にした方がいいとか、文句を持っていたり、税は高くした方がいいとか低くした方がいいとか。政治は私たちの周りの生活、そのものなのだから。」

そうして、今回の争点は雇用・教育・環境だと挙げながら、「何に興味がありますか?」と聞いてから説明をするそうだ。

確かに、消費税率にしても、教育制度にしても、労働条件にしても、政治は私たちの生活に、密接に関わっている。

「政治は、私たちの生活に大きく関わっている」

このフレーズは、訪問した高校生自身がなんとなしに口にしていたものでもある。

 

 

一歩一歩、日本もできることがいっぱいあるはず。

 

参考:

ツアーについては リボーン エコツーリズムネットワーク http://reborn-japan.com/overseas/9775

ツアー主催のLena Lindahlさんのブログ 「スウェーデンの選挙と民主主義2014年」http://democracyinsweden.wordpress.com

 

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2 thoughts on “「投票率80%超 スウェーデン総選挙体感 市民交流スタディツアー」

  1. ご担当者様

    お世話になります。
    日本の愛知県の中京テレビの柴田と申します。
    弊社の報道番組内で、「世界の選挙の様子」について紹介する
    コーナーを制作中です。
    その中で下記のHPに乗っているスウェーデンの選挙小屋の写真を
    紹介させていただけないかと思い、ご連絡させていただきました。
    日本の名古屋に住むスウェーデン人の方に話を聞き、写真を探しております。
    10月17日の放送を考えており、ご確認の程、よろしくお願いいたします。

    柴田侑市朗
    09029463213

    https://tanpoposan17.wordpress.com/2014/09/17/%E3%80%8C%E6%8A%95%E7%A5%A8%E7%8E%8780%E8%B6%85-%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3%E7%B7%8F%E9%81%B8%E6%8C%99%E4%BD%93%E6%84%9F-%E5%B8%82%E6%B0%91%E4%BA%A4%E6%B5%81%E3%82%B9/

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